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せめてもの救いは我々外国人向けのアパート、外国人向けのホテル等は衛星放送(NHK,CNN,STARTV等)を見ることができるので、世の中の動きから大きく取り残されることなく生活できることです。また、外国人に対しては外国の新聞・雑誌(日本の新聞・雑誌やヘラルドトリビューン、ニューヨークタイムズ等)の入手も可能であるので、その点は救いなのですが、中国人の一般庶民は入手できません。
言論・情報に関しては、まだまだ中国は開かれていないのです。
しかし、中国人インテリ階層と話をしていると彼らは外国事情についてもよく知っています。政府上層部は国際情勢をよく把握、研究しているようです。
中国内政にとって都合の良い話は国内に紹介し、都合の悪い話は情報を一切シャットアウトしてしまいます。
やはり中国のマスメディアは中国政府の広報媒体なのです。
(6) 郵便開封
日本から郵送されてきた郵便物(本省庁からのものや実家からのもの全て)についてですが、?領事館宛のものは開封したかどうか形跡はよく分かりませんがしばしば郵便物がシワクチャになっていたりしますし、?自宅アパート宛のものは何回か開封されて中のものが見られていた形跡がありました。
また、小荷物の発送時も郵便局へ持っていき中身をチェックした後梱包して初めて発送OKという手統きとなります。
一中国人庶民に「何で中のものを見るのだ?これは検閲か?」と聞くと、「危険物がないか確認しているのだ。」との返事――しかし、本気でそれを信じ容認しているのか?それとも嫌だと思いつつもお上には逆らえないから言っているのか?
ウーン、これも一理あるかと腹立たしい気持ちを抑えつつ反論する気にもならず、過去の我が国や中国の文革等の歴史を思いつつ、不当な扱いもこじつければ全て是となる世の中だけは二度とあってはならないと、中国の人々に妙な同情が沸いたのでした。
(7) 抗日戦争勝利50周年記念日
昨年、1995年は戦後50周年、ここ中国上海においても終戦記念日までの夏場の数カ月はテレビ、新聞のニュースはおろか街中至る所で抗日50周年記念日の看板が掲

 

 

 

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